彼のとなり、彼女のとなり
「ふーん…」


「あっ、今ミキ俺に惚れ直しただろ?」


「ち、違いますっ!」


「格好良くて頭も良い、最高な彼氏だと思った?」

黒板の前にいた私の所に健吾がやって来た。悪戯な笑みを見せながら…。

そして、私の両手を黒板に軽く押し付け、また悪戯な笑みを見せた。


「ま、まだ質問終わってませんよ…」


思わず視線をそらし可愛くないことを言ってしまった。


「何?言ってみて?」


って、こんなに近いと話しづらいな…


「言わないと、逆に俺から聞くぞ?」


「…じゃ、初恋はいつ?」


「初恋は中学。音楽の先生。」


「じゃ…その頃の夢は?」


「親父のようなカメラマン。でも一度警察官に憧れたこともある。その頃の映画の主役が警察官でさ、格好良くて。影響されやすかったな…」


「でも…今は違う」


「えっ?」


「今はもう一度カメラで色々な人の心に残る写真を撮りたい。」


「あと、ミキとずっと一緒にいたい」


「山川さん……」
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