彼のとなり、彼女のとなり
NO.14 祭りの夜
楽しい時間は本当にあっという間―――。


明日には元の街に帰ってしまう。


あれから私達は健吾の思い出巡りをしてペンションに戻った。
少しでも彼の事を知れて嬉しい。
健吾が私に 過去の自分を見せてくれた事が もっと嬉しかった。


今、私と若菜は浴衣を着てる最中。

これからみんなでお祭りに行くの。


「ミキ可愛い〜」


「若菜も似合うよ」


はしゃぎながら二人鏡の前でお互いを誉め合った。


「二人とも本当に良く似合ってるわよ〜。はぁ〜、やっぱり女の子は良いわね、何を着ても可愛いわ。ね、お父さん」


「そうだな〜、私達には健吾一人だからな。本当の娘を見てるようだよ。二人とも良く似合ってるよ。」

お父さんとお母さんは目を細めながら微笑ましく私達を見ていた。


「あっ、若菜浴衣着たの?!」


部屋から健吾達が出て来て、いち早く私達の格好に気付いたのは俊君だった。
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