彼のとなり、彼女のとなり
“パーンッ!”


「よっしゃぁ!」


「ほれっ、ミキにやるよ!」


子供みたいにはしゃいで、ガッツポーズをしながら射的で取った景品を渡してきた。


「………」


「…?ミキ、どうした?具合でも悪い?」


心配そうな顔をして私を見る健吾。


「……コレ、可愛くない……」


渡された景品は、リアルな熊の置物。小さいのが唯一の救いだけれど、これって北海道のお土産屋にあるやつじゃない……?


「そんなことないぞ〜。見馴れてくれば良い味がでるものだよ」


健吾がどう言おうと、やっぱり可愛くない。

納得いかず、ムッと不機嫌な表情の私。


それでも健吾は楽しいのか、私の手を握り次々と夜店を廻る。
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