彼のとなり、彼女のとなり
誰にでもこんなセリフを言ってしまうのだろうか。


大人っぽい所を見せたり、子供みたいに無邪気になったり…。


そのたびに私の心はドキドキしてしまって


健吾から目が離せなくなる。


なんかずるい…


私ばかりこんなにドキドキしてる。


「もしかして、射的で取った熊がまだ気に入らない?」


「だって、山川さんのセンスが無いんだもん。」


「まぁまぁ、そんなに怒らないで?美人が台無しだよ?」


「ひどい、山川さん。」


繋いだ手を払い、私は一人先に歩いた。


「ミキ待って」


「嫌です」


「せっかく良い物をプレゼントしようと思ったのになぁ〜」


その一言で歩いてた足は止まり、健吾の方に振り向いた。健吾は満面の笑顔を見せていた。


「機嫌…直った?」


「うん、直った!」


「ったく、現金な奴。その前にさ、俺からのお願い、いい?」


「えっ、お願いですか?」


意味が分からず首を傾げて彼を見た。
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