彼のとなり、彼女のとなり
NO.15 『元カノ。』
待ち合わせの場所に若菜達は来てなくて、健吾はみんなの飲み物を買いに行くと、一人で行ってしまった。


また一人で待つことになった私。


でもさっきとは気持ちが違う。


健吾の思いが伝わったし…、


この指輪が私を守ってくれる。


だから少し健吾と離れても平気だった。


「それにしてもすごい人だなぁ…」


お祭りの時よりも人が増えてる気がする。


健吾が言ってたけど、毎年観客が増えてるんだって。それだけ有名な花火大会みたい。


どんどん集まる人の中から若菜達がやって来た。


「若菜〜、こっちだよ!」


その声に気付きやって来る若菜の元に私も歩き出す。


人の群れをかきわけて歩くのは大変だった。


浴衣が着崩れをおこさないように注意しながら若菜の元に着いた。


「すごい人だよね〜、ミキを捜すの大変だったよ。」


「ホントだね、迷子になりそう。」


若菜は離れないように俊君の腕にしがみつく。


「あれ、ミキ健吾さんは?」


「みんなの飲み物を買いに行ったけど、遅いよね」

すれ違いになったのかも知れないと、三人で辺りを捜すことにした。
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