彼のとなり、彼女のとなり
「千里、もう良いだろ?もう少しで花火が始まる、あまり上田を引き止めるなよ」


先生は千里さんを連れて行こうとする。


「えぇ〜、せっかく亨さんの生徒さんに会えたのよ?学校での亨さんの話しも聞きたいし、ミキさん達さえ良ければ一緒に花火見ましょうよ?」


まるでワガママな子供のよう。
甘い声で言い寄り千里に困った顔の先生。


「じゃぁ、挨拶だけでもしましょうよ。私も亨さんの奥さんになるんだから、少しでも生徒さんと触れ合いたいわ。」


「ミキさん良いかしら?」


先生の返事も聞かず、強引に話しを進めてる千里に私も最初は返事を躊躇った。


でも、あの無垢な千里さんの顔を見ると断る理由が見つからなかった。


「挨拶くらいなら良いですよ」


「ありがとう、ミキさん!」


とても嬉しい顔をしている千里さん。
別に挨拶くらいならという軽い気持ちでオッケーしたんだけど…。


この返事が後悔することになるなんて思いもしなかった。
< 151 / 159 >

この作品をシェア

pagetop