彼のとなり、彼女のとなり
「ミキっ!」


突然、どこからか私の腕を掴み、私はその人の顔を見る。


ドーンと一発の大きな花火が夜空に舞い、


花火の光で照らされたその人は…


「健吾!」


少し息を乱し、うっすら額に汗が滲んでたけど、


今私の腕を掴んでるのは健吾だ。


「もう、どこに行ってたの?急にいなくなるんだもん…」


「ごめん…」


健吾は私に笑顔を見せる。


「ずっと探したんだよ」


「ごめんな」


「見つからなくて不安だったんだよ」


「本当、ごめんな」


申し訳なさそうに私の頭を優しく撫でる。


不安だった気持ちはどこかに消えてしまった。


「もう、健吾さん捜しましたよ。」


若菜と俊一君が私達の元に駆け寄って来た。


「あのね、健吾が居なくなった間に先生に会ったんだ。それでね、健吾を紹介してほしいって事になって…」


「うん、分かってたよ。その時俺ミキの近くにいたから」


「えっ?」


この言葉の意味がまだわからなかった。
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