彼のとなり、彼女のとなり
今日で 1学期が終わった。

春の始業式からの事を思い出していた。

先生との恋を終にしたこと…、

健吾と初めて出会って…

そして再会した…。

これから私は、健吾にあの日の返事を言いに行く。

若菜と校門前で別れ、あの写真館へと向かった。

ここに来るのは二度目だけど、そんな感じはしなくて 心は落ち着いている。

扉を開けると、また誰もいなく、奥の方から中年の男性が来た。

「やぁ、こんな早くにどうしました?」

私の事を覚えててくれたのか、とても優しい笑顔で迎えてくれた。

やっぱりこの優しい声は落ち着くな… って 思ってしまう。

「明日から夏休みだから…、今日は早く学校が終わりました…。」

「そっか、そんな時期だもんな…。」

「…アイツ、また海だよ…。」

私が何故ここにいるのかわかってるかのように
健吾の居場所を教えてくれた。

軽く頭を下げ店を出る。

薄暗い店を出ると、雲一つない青空が眩しかった。

私の足は、あの海へと向かった。
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