彼のとなり、彼女のとなり
「本当に、本当?」

何度も確かめてくる健吾。

「何度も聞かれると気が変わりますよ。」

少し意地悪に言ってみた。

「いや…ごめん。やった…やった!ありがとう!」

健吾は、この青空にとても似合う笑顔を見せた。

何度もお礼を言われ、私はただ 愛想笑いで応えるだけだった。

「じゃ、初めの一枚」

と言って写真を撮った。

「髪もグシャグシャなのに恥ずかしいです!」

何を言っても健吾は笑顔ばかり。

そんな彼を見たら

引き受けて良かったな、と 私も笑顔になった。


詳しい話しは写真館でしようと、私達は歩き出した。
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