彼のとなり、彼女のとなり
「…急に予定変更をして、どこへ行くんですか?」

チラっと横目で健吾を見た。

車は、住んでる街を抜けだし、高速道路に入った。

「ん?どこも決めてないけど?」

「はい?」

いつものジーンズ、白のTシャツ、長めの髪。
今日はサングラスをかけてる健吾。

いまいち彼の考えることが掴めない。

「じゃ、本当に気が変わっただけ?」

「んー、半分はそれもあるけどさ…」

カーステレオをいじりながら応える健吾。

そんな仕草を見て、軽い ときめきがやって来た。

「俺、ミキのこと良く知らないよなぁ…」

“あっ、あったあった” と一人言を言いながらMDを入れ替えた。

洋楽を聞く事が多くなった私だけれど、流れてきた洋楽は知らない曲だった。

「だから、今日はただミキと一緒にいたい。少しでもミキを知りたいんだ。」

「山川さん…」

「俺とじゃ嫌…か?」

黙って私を見つめる健吾。私…何て答えればいいのよ〜。

言葉に言うよりも先に首を縦に振った。
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