虹の背中
「じゃあね、まみ。また明日ねー」

「ばいばーい。
明日は寝坊しないでよ(笑)」

「努力します(笑)」


毎日授業が終わると
学校のベンチで
ジュースを片手に
まみと少しおしゃべりしてから
帰るのが日課だ。


『好きな人…かぁ。』


私は一人、
電車に乗って考えていた。

『いない…
わけじゃないけど。
好きでもないよなー。』


電車の中の
私立の小学校に通う少女達が
「山田くんが好き。」とか
いっちょまえに恋話をしているのが
みょーにうらやましかった。

あの頃は私だって、
周りを気にせず、
なんにも考えず
素直に好きなものは
好きになってたと思う。

そんなことを思いながら
私の意識は、すっと消えていった。


なんてたって、
オールあけなんだからさ。
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