“逆”チョコレート大作戦!!
「あっ!!」



目の前にはコロコロと転がるバケツとエプロンをつけたオニーサン。



「スイマセンっ!!」



「いえっ!!こちらこそ、スイマセンっ!!」



俺は謝りながらオニーサンと一緒にバケツを追っかけると、



間一髪っ!!



「よかった…」



車道に転がる前に拾い上げた。



「ありがとうございます。」



「いえ…ボーっとしてた俺が悪いんで…じゃ…あっ!!」



「っ…!!」



バケツを渡しながら、突然、デカい声をあげた俺にビビったのか、オニーサンはビクっと肩を震わせた。



「どうしましたか?」



そしてそんなオニーサンの服をグイッと引っ張った俺は、目の前の“モノ”を指差した。



「あっ…アレっ!!」



「あぁ…“アレ”ですか?“アレ”は…」



「らっ…“ラブラブハート”っ!!」



「はい。」



大声で叫ぶ俺とは逆に、オニーサンはニッコリと微笑んだ。

< 50 / 107 >

この作品をシェア

pagetop