“逆”チョコレート大作戦!!
はぁ…



せっかく、



せっかくオニーサンがキレイにラッピングしてくれたのに…



鉢からは小さな白い石がこぼれて、片方のラブラブハートの根っこがギリギリ見えそうになってる。



「ゴメン…な。」



俺はかわいそうな状態になったラブラブダブルハートから菜々美へと視線を移すと小さく謝った。



「…。」



がっ、菜々美は無言のままラブラブダブルハートを凝視するだけで…



はぁ…



“こんなのいらねぇ”って突き返されるんだろうなぁ…



ちょっぴり切ないけど、



やっちまったもんはしょうがねぇ。



まぁでも…



俺は菜々美の横に落ちているもう1つの紙袋をチラッと見た。



アレが残ってるし…



あとは“ガトーショコラもどき”に賭けるしか…



「コレ…」



「ん?」



突然、ボソッと呟いた菜々美はラブラブダブルハートを見つめながらニコっと小さく微笑んだ。



「カワイィ…」



……。



「えっ!!」



俺はそんな菜々美とラブラブダブルハートを交互に見ると、



マジかよ…



「えっと…菜々美?」



「ん?」



やっぱメチャメチャ嬉しそう…。



クリスマスに“ピアス”あげた時より喜んでんだけど…



なぜに?



俺は首を傾げた。

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