“逆”チョコレート大作戦!!
「なんで…」



「は?」



「なんで笑うの?」



気合いを入れた俺をよそに、突然、キッと睨みつけてきた菜々美。



「あの…菜々…」



一体…



なに言ってんだ…?



「なんなのよっ!!もうっ!!」



「えっ?」



俺は胸をポカポカと殴ってくる菜々美を見下ろしながら首を傾げた。



「今のってプロ…もうっ!!冗談ならそんなこと言わないでっ!!期待させないでよっ!!」



「えっと…」



プロ…って、



えっ!!



もしかして…



いやいや、



もしかしなくても…



俺…



さり気なく“プロポーズ”しちゃってる?



………



やっちまった…



「もうイヤっ!!創なんてキラ…」



「菜々美っ!!」



俺は半泣き状態の菜々美の両手首を掴むと、



「菜々美…聞いて。」



「イヤっ!!」



「お願い…ちゃんと俺を見て。」



「いやぁ…」



あぁ…



クソッ!!



とうとう泣き出してしまった菜々美の唇…



いや、鼻の頭にキスをした。



「はじ…め…?」



はぁ…



やっと落ち着いた。



「菜々美。ちゃんと聞いて…」



そしてキョトンとする菜々美を見つめながらひとつ息を吐くと、



結城 創 25歳。



人生初のプロポーズ…



いきますっ!!



俺はギュッと菜々美の手首を掴むとコクンっと頷いた。

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