“逆”チョコレート大作戦!!
「菜々美。」



「ん?」



「俺…指輪も買えねぇけど…」



「うん。そんなのいらない…。」



「俺…貯金0だけど…」



「うん。今から一緒に貯めよ…。」



「そんな…そんな俺で良かったら…」



「うん。」



「結婚して…ください。」



「…。」







……



………



…………えっ!!



ここは“はい。”じゃねぇの?



俺は無言の菜々美の顔を覗き込むと、



「菜々美…」



「創…だよ…ね?」



「は?」



「本当に創…だよ…ね?」



「あっ…あぁ。」



なんだ?



「創の皮被った“佐木サン”じゃないよね?」



「はぁ?…っていうか、“サキ”って誰だよ…って、いでででぇ~」



突然、わけわかんないことを呟く菜々美に頬を引っ張られた。



「いでででぇ…」



「…本物だ。」



「いででで…って、ヤメっ!!」



「あっ…ゴメン。」



「“あっ…ゴメン”…じゃねぇよっ!!」



あ~痛かった。



俺は思いっきり引っ張られた両頬を撫でながら、しれっとする菜々美を睨みつけた。

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