“逆”チョコレート大作戦!!
はぁ…



マジどーしよ…。



俺はチラチラと菜々美を見ながらもう一度ため息をついた。



っていうか、



菜々美…



なんでなんも言ってくれねぇんだよ。



マズいならマズいって…



「ねぇ…」



「んだよっ!!」



「創…」



「…は?」



完全イジケモードに突入しかけたその時、突然、口を開いた菜々美。



「菜々…美…?」



俺は“ガトーショコラもどき”を見つめながら呟く菜々美を見つめながら目を見張った。



「菜々…」



「創…。コレ…誰が作ったの…?」



目の前には瞳を潤ませながら俺を見る菜々美の姿。



「菜々…美?」



「ねぇ…誰?」



俺はそんな菜々美から“ガトーショコラもどき”へと視線を移すと大きなため息をついた。



アレは…



“俺が作ったんデス”



なんて、口が裂けても言えねぇよ。



あんなグチャグチャでしょっぼい、しかもホワイトチョコで作ったわけわかんねぇ“ガトーショコラ”なんて…



「ねぇ、コレ…“ガトーショコラ”だよ…ね?色がちょっと変わってるけど…」



「…」



「ねぇ…」



「…。」



黙り込む俺をよそに、肩を揺すりながら顔を覗き込んでくる菜々美。



「ねぇ。創。創が作ってくれたんでしょ?」



「…。」



ははっ…



バレてるし…



でも、



「ねぇ。答えて。」



「…。」



俺は何も答えることができなくて、真剣に見つめてくる菜々美からプイっと顔を背けた。

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