【短】シャープペンシル〜君と始まった日〜
っていうか、誰かに何かをプレゼントするなんて何年ぶり?
プレゼントっていうか…お返しっていうだけなんだけど…。
そんなことを考えながら、ふと目に入ったシャープペンシル。
シャープペンシルにヒノキの香り付きか…。
島田さん、今年は受験生だしこれで勉強してもらうか。
俺はそのシャープペンシルをレジに持って行く。
「ご自宅用ですか?」
「あ…プレゼント用でお願いします…。」
なんでちょっと照れてんだよ、俺…。
そんな自分に苦笑しながらプレゼントを見て、島田さんの顔を浮かべた。
喜んでくれるだろうか?
そんなことを考えながら駐車場に戻り、エンジンをかけた。
夕日がきれいなオレンジ色になっていた。
この間の授業での島田さんのあの悲しそうな顔が浮かんだ。
何故か少し胸が痛かった。
〜end〜