初めてのキス
「地毛だっちゅのー」

「あー、めんごめんご」

「付け髭かと思った」

「まったくー、あいかわらずお転婆なんだから」

「やっぱ轟きの助じゃん。」

「あっ!ひどいなー」

「悪かったわよー・・お礼に冷めた味噌汁ご馳走するから家きなさい」

「冷めた?」

私は笑いながら、轟きの右腕を両手で掴み、しがみつきながら家まで連行した。

「あのー?」

「なに?」

「胸当たってんですけど・・」

「・・いやなの?」

「いや」

「いや、何よ」

「・・いえ」

「そう、いえ」

「あー、家ね。ここよ」

「春樹―」

私は階段を駆け上った。

慌ててたせいか、転んだ

「いたたたたた、厄日だ」

「何やってんだ?」

春樹が冷たく言う。

「先輩、冷たい味噌汁って旨いんですか?」

轟きはエミの背後から春樹に声をかけた

「w、・・ああ、旨いよ、・・・世界の発見は、こうして偶然が重なって真実となる」

「・・・」
< 17 / 24 >

この作品をシェア

pagetop