初めてのキス
「今、起きていることはこの先当たり前のことではないかもしれない、ただ未来は今の気持ちが積み重なり起こる」

「はい」

「あんたらー、その前に私に優しい声でもかけなさいよ!」

「お嬢さん」

「お嬢さん」

春樹と轟きが声を合わせた。

「w、・・・なっ、轟きー、偶然とはこういうことだ、偶然は必然でもある。お前の今は、お前の過去の現実が重なってる、わかるよな」

「はい」

「おまえの今はどう作られた?、冷たい味噌汁でも飲みながら話してくれないか?」

「春樹―、あんたさりげなく暖め直せと言ってない?」

春樹「いや、味噌汁を温め直す必要はないよ(笑)これから聞く轟の話しで、気分も熱くなるだろう」

轟「先輩~、たいしたことはないっすよ(^^ゞ。あの患者を診断したあとに精神科医をヤメタのは・・」

春樹「うんうん!なんだ?
その理由によっては、レポートして学会に発表したい。
伝染病だったらヤバイからな。今、俺が担当しちまってる!
俺にも移るかもしれない」

轟「伝染病?・・・つか、俺、あのあと結婚したんです。結婚してヤメタので、言わば寿退職ってワケで。カミさんの方が収入が良かったんで、俺が主夫になったんですよ(^^ゞしかも、家事以外何もしてません」

轟はちょっと照れた。

春樹「それは解せないなぁ・・」

轟「我が家の問題ですから、追及しないで下さいよ」

春樹「そりゃそうだが・・解せない」

轟「まぁ、それだけでもないのですがね・・。先輩、俺が女だったら、寿退職も納得したんじゃないですか?きっと先輩も偏見があるんですね。男は外で働く、家事手伝いは女の仕事だと。
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