初めてのキス
老教授「エミくん、私を悪人にしてはいけない。よーく聞きなさい。精神科医が病んでいたら?という恐怖を抱く患者は少なくない。心療を拒む患者の多くは信頼関係が持てないからだろう。
なかには、本当に病んでる医者もいるのだ。私は時々、回診するつもりで教え子のところに罹(かか)っていたのだよ。案の定、患者に感化されてウツになっていた医者が多かった。私は提案した。息抜きを。趣味を極めなさい、と。趣味こそ息抜き。息抜きは裏切りではない。人の忍耐精神の持続は4年が目安という。この国は、永久的就職、永久的結婚を美徳と考えている。
単なる希望にしておけばよいものを絶対成就と心に強いる。であるからして、病むのだね。
苦痛さえも否定しなければ生きていけない。その運命は変えられないか?ならば、運命を変える運命かもしれぬと考えるのだよ(笑)発想の転換!運命の改革!それもまた運命♪」

エミ「ますます、わかりません・・。教授、私はタダ単に、夫のネット依存がなんとかならんものか?と相談してただけで(-o-;こんなビデオを見ても、話が見えませんが・・。飛躍しすぎてませんか?どこから、こうなるのですか?」

老教授「じゃあ、簡単に説明しよう。エミくん、君は、彼に今夜こう言うのだよ。『あの時言ったことは嘘なの?軽い人ね』と」

エミ「はい、言うつもりです。だって、彼は言いました。あの世界から、やっと抜け出したのに。
二度とハマラナイと約束したのに・・またまたバーチャルゲームに手を出して。架空の彼女に夢中です(-o-;」

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