初めてのキス
「あら いやだ 春樹エッチねー」

「豊胸手術?」

「やっだー 違うわよ 春樹ったら勘違いしてるぅー」

「えっ なに?」

俺は頭がこんがらがって蜘蛛の巣を彷徨っている蜘蛛の気分だった。

悪くない・・

なんか奇妙というより新鮮でワクワクした感じもしていた。

「あたし・・」

「あたし?」

「あ・た・し、体は女なの♪」

何いってんだ、こいつ? ・・・!

「! もしかして性同一性障害?!」

「そうよー 見たい?」

「・・みたい!」

「今夜のお楽しみ♪」

カオルは男のツボなら任してと言わんばかりの笑顔だった。

まるで道に迷っているヤクザが、仲間を見つけた途端に自信たっぷりになるかのようで

俺は愛しく思った。

そして俺はちょっぴり期待しちまった。

俺は体も心も正直だ

「さっ、いこっか♪」

俺と息子は結局、引きづられるように家を出た。

春樹とカオルは、仲良く歩道を歩き出した。

カオル
「レストランに予約した時間より、まだ1時間も早いわね。ウインドーショッピングに付き合う?それとも、春樹の誕生日祝いに、何かプレゼントでも差し上げましょうか(笑)」

春樹「いいねー。何をねだろうかな~。予算は?」

カオル「2回目の誕生日祝いだから、2万円以内ね」
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