鬼畜王子の飼育方法
夏生と私は同じクラス。
そんでもって、運が良いのか悪いのか、座席まで前後という奇跡。
おかげで、C組のツートップと先生に呆れられるほど、私と夏生のコンビネーションは有名になってしまった。
「いつにもなく不細工ですなぁ」
私の顔をまじまじと眺めながら、夏生が真顔で呟く。
こんなことをさらっと言えちゃう関係だからこそ、これまでつきあってこれたのかもしれないけど。
「まぁ、夏生ほどじゃないけど」
皮肉たっぷりに言ってやると、夏生はまたフフン、と口角を上げて笑った。
「そんなこと言ってられるのも今のうちだよ?」
「はあ?」
「私、美希に報告することがあります!」
ピシッと右手を上げて、夏生は誇らしげにそう声をあげた。