鬼畜王子の飼育方法
意外にも志季の名前が出てきて、一瞬固まってしまった。
ほんとに、世間は狭いと言うかなんというか…。
「…夏生たちの馴れ初めは?」
「あぁ、お姉ちゃんの紹介だよ。うちのお姉ちゃん、中学時代から柿崎先輩と仲良かったから」
…凄い。
そんな身近なところから繋がっていくなんて。
う、羨ましい……。
単純にそう思えた。
「でね。美希に良い話があるんだけど」
椅子ごと反り返って、夏生がにんまり笑う。
「良い話?」
「そ。明日の放課後、Wデートしない?」
「はぁ!?」
だ、Wデート!?
こりゃまたベタな…。
「第一私には相手いないし…」
「いるじゃん」
「え?」
「志、季、先、輩」
「…え?
えぇぇぇーッ!?」