鬼畜王子の飼育方法


そして、机に乗り出し夏生に掴みかかっていると。






「夏生ちゃん!」





教室に響いた、聞き慣れない男の人の声。


声がした方を見ると、その人は教室の引き戸から、ひょっこりと姿を現した。



「…柿崎先輩っ」


直ぐに、目の前の夏生が立ち上がって。

それはそれは嬉しそうに、満面の笑みで声をあげる。


あぁ、この人が、夏生の彼氏…。



西日を浴びてオレンジ色に光るその頭は、決して真面目とは言えないけど。

ふんわり笑うその表情に、不思議と好感がもてた。



「悪いね、遅くなっちゃって」


オレンジの頭をわしゃわしゃ掻きながら、柿崎先輩が私たちの席にかけ寄ってくる。


うわ、大きいー…


身長何センチあるんだろ……




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