鬼畜王子の飼育方法
「ところで」
表がちょうど良い焼き加減になってきた頃、私は前から気になっていることを聞いてみることにした。
「オレンジ先輩って、夏生のどこに惚れたんですか?」
「ぶはっ!」
勢いよく水を吹き出す夏生。
「オレンジ先輩って…俺?」
……あ、やばい。
つい、勝手に脳内で呼んでいたニックネームで呼んでしまった。
「す、すみません」
「ぶはははっ!いいよ別に。美希ちゃんて面白いね」
慌てて頭を下げる私に、オレンジ先輩は特に気にする様子もなく、それどころかお腹を抱えて爆笑している。
チラリと前に座る志季を見ると、彼もまた呆れ顔で笑っていた。