鬼畜王子の飼育方法
「どこに惚れた…かぁ。それを今ここで言わせるなんて、美希ちゃんなかなかドSだね」
笑いを堪えながら、オレンジ先輩が困ったように頭を掻く。
いや、ドSなら既にいますけど。
「…美希ってば、柿崎先輩困らせないでよっ」
なんて言いつつも、答えが気になるのか顔を真っ赤にしたまま俯く夏生。
何よう、おしとやかになっちゃって。
「…何だろ。初めて会った瞬間から気になる存在ではあったかなぁ」
うわー……
聞いた私が馬鹿だった。
これは間違いなく、ノロけモードフラグが……。
「柿崎先輩ってば…」
「元々夏生の姉貴と俺が仲が良くて、たまたま家に行ったときに夏生と鉢合わせてさ。…まぁ、一目惚れってやつ?ソッコー夏生の姉貴に紹介頼んだの」
「…そ、そうなんですか」
紹介で知り合ったとは聞いていたけど、その前にオレンジ先輩は夏生に一目惚れしていたとは…。
なんかもう、羨ましいの通り越して憎たらしく思えてきたぞ。