鬼畜王子の飼育方法



当の本人は、先ほどから顔を茹でダコみたいに染めたまま、俯いている。


全く、普段の狂暴な夏生からは想像もつかないしおらしさだ。

恋は偉大なり・・・。
人の性格をも変えてしまうのだから。



「そうゆう二人は、どうなんだよ?」


「へ?」


気づけば、オレンジ先輩がニヤニヤ悪戯な笑みを浮かべながら私と志季を見ている。


は、何……?



「あの、どうって何がですか?」


「だから、二人はつきあわないの?って」


「ッ!」


危うく、持っていたお冷やグラスを落としそうになる。


待ってよ。


どうしてそこで、私と志季──!?




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