鬼畜王子の飼育方法
「マジでー!?」
先に大声を上げたのは、夏生だった。
これでもかというくらいに目を見開き、身を乗り出して志季を見ている。
…いや、でも。
一番驚いているのはこの私だ。
「…急、すぎたかな」
困ったように頭を掻く志季。
また、だ。
背中に悪寒が走った。
「…志季先輩、帰りましょう」
「は?え、ちょっと美希?」
夏生の制止を振り切り、少し強引に志季の腕を掴んだ。
「オレンジ先輩、すみません。少し二人きりで話したいので、失礼します」
私の言葉に、オレンジ先輩は一瞬戸惑ったように見せたけど、すぐにまた悪戯な笑みを浮かべて言った。
「…まぁ、若い者同士、頑張って」
…あなたお見合いの仲人ですか。