鬼畜王子の飼育方法
「…お前、俺に貸しあるよな?」
ふいに、志季はそんなことを言い出した。
貸し…?
私、志季に何か借りたことあったっけ?
必死に頭をフル回転させるも、そのような記憶は無い。
「店のグラスー」
「…げ」
志季…根に持ってやがった。
「総額いくらだろうなぁ?」
ニヤリ。
不気味に微笑んだその顔は、まさに、悪魔。
でも…
「志季先輩、あの時言ってくれましたよね!“人間、皿割って成長するもんだから、気にすんなって”って…」
そう言いながらじりじりと後ずさる私に、志季は続ける。
「チャラにする、とは言ってないけどな」
「なっ…」
「お前が俺の女になるなら、全部チャラにする。それでいいだろ?」