鬼畜王子の飼育方法
「……っ志季先輩!」
バン!と手をついて、勢いよく立ち上がる。
「な…」
ギョッとして私を見上げる志季。
ポカンと口を開けたまま、目を見開いて。
「もう限界です!何なんですか、さっきから!」
「…あ、相澤。分かったから、落ちつけ」
「嫌です」
「…人が、見てるぞ」
………!
ハッとして周囲を見渡すと、ちらほらいたお客さんが一斉に私を見ている。
一瞬静まり返る店内。
「……」
急に恥ずかしくなり、私はストンと腰を下ろした。
……最悪だ。
なんで私がこんな恥ずかしい思いをしなくちゃいけないワケ?
元はといえば志季が…。
「って、何笑ってるんですか」
「…笑ってねぇし。プッ」
「いや思いっきり笑ってるだろ」
ついつい言葉が乱暴になる。
志季相手に敬語を使うことすら馬鹿らしくなってきたわ。