鬼畜王子の飼育方法
偽りの彼女
───翌日。
HR前の掃除をしながら、私は大きく溜め息をついた。
今日はこれから、志季と買い出しに行く約束になっている。
故に、嫌でも顔を合わせなければならないワケで。
昨日はつい勢いで、
「いいですよ」
なんて口走ってしまったけど…。
無事に演じられるだろうか?
そう。
私は今日から志季の彼女になる。
いまいち実感が湧かないのは、それが偽りの彼女だから?
どちらにせよ、気が重かった。