鬼畜王子の飼育方法
HRが終わり、さてこれからが勝負だ!と意気込んだ瞬間だった。
「相澤さん」
何事かと思った。
急に名前を呼ばれて振り向けば、背後には見知らぬ女の集団。
上履きの色から察するに、彼女たちは2年生だ。
「…はい?」
「話があるんだけど、ちょっと顔貸せる?」
……ま、まさか。
ゴクリ、と唾を飲む。
この展開…なんとなくだけど想像がついた。
第一、彼女たちの表情を見れば分かる。
作られた笑顔の奥に潜む黒いオーラ。
それは志季がたまに見せる蛇オーラによく似ていたから。
間違いない。
これはいわゆる、呼び出しというやつだろう。