鬼畜王子の飼育方法
「…てめぇ、ふざけてんの?」
ギャー!!
思いっきり逆効果じゃん。
この先輩、目がイッちゃってるっつーの!
「……っ」
ゆらゆらと大きな影が近づき、私は反射的に目を瞑る。
「…はい、そこまでー」
………は?
突如聞こえてきた、この場にふさわしくない間の抜けた声。
まさかと思って目を開ければ、やっと現れやがった。
「…志季」
「あーあ。もうちょっと見てたかったんだけどな」
って、オイ!
何、その鬼畜発言。
「…志季、君、」
志季の顔を見るなり、気まずそうに目を泳がせる先輩たち。
さっきまでの威圧的な態度はどこへ行ったのやら、急に借りてきた猫のように大人しくなってしまった。