鬼畜王子の飼育方法
「つかお前、カルシウムとれ!カッカカッカしすぎ」
未だ怒りの収まらない私に、まるで挑発するかのように志季が言う。
ったく…誰のせいだと思ってんのよ!
だけど───
「…ん。」
「は?」
ふいに差し出された右手に、怒りも忘れて一瞬固まる私。
そして。
「慣れとけ」
気づけば再び、私の左手は志季によって握られていた。
「な、な、なっ…」
「お前なぁ、手ェぐらいでいちいち構えすぎ」
「だだだって、」
「何もチューしたわけじゃあるまいし」
「……チ、」
チューですって!?
志季の言葉に、私の心臓は爆発寸前。
一瞬でも志季とのキスシーンを想像してしまった自分を殴りたい。