鬼畜王子の飼育方法
オレンジ先輩の激励を背に、重い足取りで教室に向かう。
『ほら見て、あの子だよ』
『え、あれが志季先輩の?』
廊下を通る度に感じる視線、そして耳打ち。
それらを避けるように、足早に教室へと歩を進める。
あぁ、息苦しい……
これから毎日こんな思いをしなければならないのかと思うと、憂鬱になる。
ボンキュッボンの美少女ならまだしも、顔もスタイルも性格も平均またはそれ以下の私だから尚更だ。
きっと放課後あたり、靴が無くなっているに違いない。
小さく溜め息をついて、ようやく辿りついた教室の戸を開けた瞬間だった。
「美希ー!!」