鬼畜王子の飼育方法
「酷いよ夏生。お世辞ぐらい言えないわけ?」
「私はお世辞は言わないの!思ったことは正直に言う性格だから」
確かに夏生は、昔からバカ正直なところがあったけど。
仮にも親友に対して平凡って…辛口も良いとこ。
「…要するに、学校一の王子と平凡なアンタ。釣り合ってないんだよ!」
「はぁー!?」
今、釣り合ってないって言った!
はっきり言いやがったコイツ!
「例えるなら、一国の王子と町娘。そんな二人を民衆が認めると思う?」
「うっ…」
「ただでさえアンタ達がつきあってるって学校中大騒ぎなのに、朝のアレは何よ」
朝の、アレ?
あぁ、やっぱり手を繋いでたことを言ってるんだ。
今までは、つきあっている「らしい」っていう噂だけだったのが、手を繋いで一緒に登校したことでそれを肯定しているも同然。
皆が驚くのも無理はない、か。