鬼畜王子の飼育方法


それから私たちは、なんとか本鈴ギリギリで教室に飛び込むことが出来た。


「またお前らツートップは……」


そんな先生の呆れ顔を横目に、ぐるりと教室内に視線を巡らす。



「……う」



睨まれてる…。

教室中の女子の鋭い視線が、私に向かって投げつけられていた。


思わず背中を丸め、机に顔を伏せる。


四六時中監視されては、心休まる暇がない。

全く。

私は指名手配犯かっちゅーの!




「はー……」


これからのことを考えると、先行き不安で泣きたくなるよ……。


行き場所の無い溜め息だけが、教室中の雑音にかき消されていった。



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