鬼畜王子の飼育方法
「…よし。あと1分で昼休み。美希、準備はいい?」
「アイアイサー!」
気合いを入れて敬礼。
昼休み…最後の勝負といっても過言では無い。
休み時間が来るたびに、私と夏生は真っ先に教室を飛び出して身を隠してきた。
それしか、彼女たちの魔の手から逃れる方法が無かったから。
「とりあえず、旧校舎の中庭までダッシュね」
「うん」
けれど。
ふと、朝の出来事が脳裏に蘇る。
そうだ…忘れてた。
昼休み、志季と約束(強制)してたんだった。
……でも…。
今はそれどころじゃない。
こっちは命がかかってるんだもん。
志季には……後で謝ればいいよね。