鬼畜王子の飼育方法
すると夏生は、何やらうっとりした表情でとんでもないことを口走りだした。
「あのさぁ美希。桜沢志季っつったら、この学校の王子様だよ?」
「…へ?」
王子…様……?
誰が?
志季が?
「…ありえない。ありえないって、夏生さん」
あんな鬼畜変態野郎が、王子様?
「はぁ?逆に王子じゃない要素がどこにあるの?あんなにサラサラな髪であんなにきれいな顔の人、この世にいる?」
「いるから!ジャ○ーズとかに普通にいるから!」
私の言葉に、夏生は分かってないなぁと溜め息をつくと、再びあのウットリした乙女の表情で語りだした。
「桜沢先輩は、この地球の天然イケメン記念物なの。みんなのアイドルなの。
あの甘〜いマスク、もう一度思い出してごらんなさい。血が騒ぎ、肉踊る感覚が甦ってくるでしょう」
「……あのぉ、夏生さん?」
どこか違う世界に行ってませんか……?