鬼畜王子の飼育方法
「だ、だからって!よりによって6限は担任の授業だし…」
照れを隠すように、慌てて俯きながら呟いた。
「安心しろって。俺が一緒に謝りに行ってやるよ」
「ありがた迷惑です!」
ったく…。
ただでさえ騒がれてるのにこれ以上事を大きくしてどうするよ。
──きっと今頃、教室も凄いことになってるんだろうなぁ。
そう思ったら、自然と溜め息が零れた。
「お前、ここにいろ」
ふいに志季が声を上げる。
「へ?」
「鞄。教室にあんだろ?俺が持ってくるから」
ええぇぇ!?
「い、いいです!自分で取りに行きますからぁぁ」
だからこれ以上、目立つ真似はしないで下さい!
そう半泣きになりながら、立ち上がろうとする志季の腕を引っ張った。
「……俺、決めたから」
「はぁ?」
そして志季は、次の瞬間、とんでもないことを口走ったのだった。
「今日から俺、お前のボディーガードになるわ」