鬼畜王子の飼育方法
───へ?
志季の腕を掴んだまま、思わず硬直。
「ボディ、ガード?」
「騒ぎが治まるまでな。一応、俺にも責任あるわけだし」
いや、全て貴方のせいですけど。
「これからは毎日送り迎えしてやるよ。絶対お前を一人にはさせない」
「…、」
不覚にも、その言葉にドキッとしてしまった。
「まぁ、お前が嫌だっつってもやるけど?」
ニヤリ、と口端を上げて、志季が笑う。
恋は盲目とは、このことを言うんだろうか。
普段は憎たらしいその微笑みも、今は何より頼もしく見えた。
「つーわけで、おとなしく待っとけよ」
そう言って、志季は私のおでこを軽くつつくと、放課後の校舎へと消えてしまった。
「……はぁ」
一人になった途端、出るのは溜め息ばかり。
なんだかまんまと志季のペースに巻き込まれてる気がするけど、気のせい?