鬼畜王子の飼育方法
うわっ!
志季の番号とアドレス、ゲットしちゃったよ!
いくらで捌けるかな…。
じゃなくて!
「……」
改めて、画面に表示された志季の名前に視線を落とす。
やばい、ニヤニヤが止まらない。
だって。
ずっと憧れてたんだもん。
好きな人との電話。
好きな人とのメール。
もっともっと、相手を身近に感じられるから。
距離が縮まる気がするから。
「…気が向いたら、送ってみようかな」
絶対、すぐには送らないんだから!!
浮かれてるって思われたら、絶対また調子に乗るだろうし。
志季の余裕たっぷりな笑みが容易に想像できて、私はそれを振り切るように画面を閉じた。