鬼畜王子の飼育方法
そして、次の瞬間。
舞の口から放れた一言に、私は耳を疑った。
「今ね、新しいお母さんが来てるんだよ」
目の前が真っ暗になる。
しばらく声も出なくて、ただただ舞の顔を凝視することしか出来なくて。
「…嘘、でしょ」
そう言葉にするのが、やっとだった。
「今大事なおはなししてるから、来ちゃダメだよって言われたの」
だから部屋に行こう、と私の服を引っ張る舞。
けれど。
ふいに、朝の出来事が脳裏に蘇る。
『大事な話があるから、まっすぐ帰ってきなさい』
お父さんは、確かにそう言っていた。
あの時はたいして気に止めなかったけれど……
まさか、大事な話って、このことだったの───?