鬼畜王子の飼育方法
右頬がジンジンする。
痛い。
痛いよ。
心が─…痛いよ。
「…あ、」
自分の右手を見つめ、愕然と佇むお父さん。
我が子を叩いてしまったことに、後悔の念でも感じているのだろうか。
「…再婚、したらいいよ」
「「…え?」」
お父さん、そして望さんの声が重なって、二人の視線が私を捉える。
「──その代わり、私は出ていくから」
唖然とする二人を残し、リビングを後にする。
途中、お父さんの呼ぶ声が聞こえたような気がしたけど、振り返らなかった。
おとなげない──
人はそう笑うだろうか。
それでも。
この時の私は。
15歳の私は。
他に成す術が無かったんだ。
お母さんを裏切った、お父さんへの精一杯の反抗。
私は─…間違ってた?