鬼畜王子の飼育方法



─────え。


意外すぎる言葉に、思わず数秒固まる私。



「美希ちゃんは志季先輩とつきあってるのに、こんな事言うなんて筋違いかもしれないけど─…」


…あ。

やっぱりもう、そうゆうことになってるんだ。

当然だよね。

あんなに堂々と手を繋いだり、二人して授業抜けたりしてたんだもん…。


「相手が美希ちゃんだから、ずっと黙ってた」

「え、」

「応援しようって思ってたんだ。美希ちゃんのこと、好きだから──……」



目に涙を浮かべ、小さく肩を震わせる亜弥ちゃん。


その姿に、罪悪感さえ覚えた。



「…だからね。きっぱり諦める為に、次に踏み出す為に、言わせてほしいの」



「…なに、を…」



「志季先輩に告白させてほしい」



力強い眼差しで、真っ直ぐ私の目を見て。


亜弥ちゃんは確かにそう言った。






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