鬼畜王子の飼育方法



「ほ、ほんとに?本当に告白してもいいの?」


──…コクン。

小さく頷く。



「ありがとう!美希ちゃん、ありがとう!」


目に沢山の涙を浮かべて、亜弥ちゃんは私の手をギュッと握りしめた。





「あの、待って」


教室に戻ろうと踵を返した私を、亜弥ちゃんが制止する。


「美希ちゃん、誤解してるかもしれないけど…クラスのみんな、別に怒ってないからね」


「…へ?」


「逆に、相手が美希ちゃんで良かったってみんな言ってる。だから…もう逃げたりしないで?」



……亜弥ちゃん。


やばい…泣きそうだ。


だって亜弥ちゃん。

めちゃめちゃ良い子じゃん。


勝手に警戒して、怖がって。

私… 馬鹿みたいだ。




「…うん。ありがとう」


私の言葉に、亜弥ちゃんは目を細めて首を振った。




亜弥ちゃん。

ありがとう。




そして──…ごめんなさい。



私は亜弥ちゃんを…

みんなを騙してる。


申し訳無くて、罪悪感で胸が押し潰されそうになった。



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