鬼畜王子の飼育方法
「……えっと、」
「志季君?誰と話してんの?」
私の代わりに声を上げたのは、先程まで志季と話をしていた女の子。
確か、由香──っていったっけ。
「……あ。」
カーテンの隙間から覗き込んだ彼女と、ばっちり目が合ってしまった。
───綺麗な人だ。
色白で、髪の毛さらさらで。
顔も、小さくて。
「その子って、もしかして…」
嫌だ。
やめて、言わないで。
「…志季君の、彼女?」
─────。
せっかく、触れないようにしてたのに。
どうして志季の前で、その話題を出すの…。
居たたまれなくなって、ギュッと唇を噛む。