鬼畜王子の飼育方法
殺される…!
その瞬間、私の防衛本能が働き、
──ドン!
気づけば思いっきり、志季の腕を振り払っていた。
「…ッテ」
その勢いで、志季の腕は思いっきり壁に直撃。
「ごごごごめんなさい!」
涙交じりの声でそう叫び、逃げるようにその場から走り去った。
「おい、相澤!」
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
もうしませんから許して下さい!
───結局。
それから志季が追いかけてくることもなく。
(いや、私のあまりのスピードに追いつけなかっただけかもしれないけど。)
その日は無事に、一命を取り止めることが出来た。