鬼畜王子の飼育方法
「……」
しばらく言葉が出なかった。
私だけじゃない。
その場にいた誰もが、その光景を目の当たりして固まっている。
「……好きだ」
────へ?
沈黙を破る志季の声。
ハッとして顔を上げる。
「テメーが好きだっつってんだよこのボケ!」
え、あの、
「“キスに気持ちが無い”?テメー俺がどんな思いでキスしたと思ってんだよ!」
ちょっ─…待って、
「分かんねーなら何度でも言ってやるよ。好きだ!俺はお前が好きだ!」
……志…
「女避け?んなもん口実に決まってんだろヴォケ!!ちょっとは疑えよ、そんなだからいつまで経ってもアホのままなんだよテメーは!」
───…何これ。
まさか、私。
告白されてる───?