鬼畜王子の飼育方法
息つく間も無く一気に撒くし立てたと思えば、志季はハァハァと息を切らしながら私を見下ろしている。
「……嘘、だ」
「あ!?」
嘘だよ。
志季が私を好きって、
だって。
女避けが口実って、何?
訳がわかんない。
頭が混乱する。
「…俺様にこんだけこっぱずかしい告白させといてまだ言うか、この口は!」
グイッと顎を持ち上げられて。
「……ふ、」
今度は優しく、唇を塞がれる。
夢でも見てるんじゃないかと、本気で思って。
つい、右手でほっぺをつねってみた。
「……何してんのお前」
「…じゃない」
「あ?」
「夢じゃないよぉ!!」
なんだこれ。
急に想いが溢れて。
頬を涙が伝う。